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余命宣告 残されし男の諷詠
[単行本(ソフトカバー)]射場 和行 (著)
発行日: 2022/4/27
頁数: 106ページ
ISBN-13: 9784864504478
定価: 1100円(本体1000円+税10%)
内容紹介
「お〜い 満里子〜! 元気でやってるかい〜?」
妻の眠るお墓を前にして、私の発する肉声第一声である。
そしてゆっくり跪き、
「どうして俺を置いて逝ったんだ?」
「俺はこれからどう生きていけばいいんだい?」
との呟きから妻との対話のような御祈りが始まる。
2018年の盛夏、医師から突然、妻の余命は数ヶ月あるかないかとの宣告を受けた。まさに青天の霹靂(へきれき)、天地異変。なのに、対処するすべが何も分からない。
宣告されたご本人は、それなりに覚悟していたのか、それともそのショックが大きすぎるが故の保身本能なのか、意外にも冷静に受け止めている。
「どうして満里子が?」
「ひょっとして夢じゃないか??」
「何故に神は我にかかる試練を???」
打ち寄せる波の如く消えない疑念、悔しさ。そしてそこから出た憤りのようなものが込み上がる。崖っぷちに立たされた彼女をなんとか元の方へ押し戻したいと思うも、無力感に襲われるだけ。
ならば出来るだけ彼女をハッピーエンドで見送ってやりたいと思うが、週単位で体力を落としていく姿に戸惑い、充分な準備時間も持てない。
そして居なくなることの心構えもできぬまま、あれよあれよという間に天国へ逝ってしまったのだ。(まえがきより)
著者について
埼玉県在住 海外投資コンサルタント
著書に「上海今昔物語」(GO-GO PLANNING)
「中国投資会社設立ガイドブック」(明日香出版社)などがある。