間違えやすい部分を意識して校正をする
大事な固有名詞と数字の確認
地味だけれども非常に大事なのが校正です。
自費出版の場合、校正の責任は著者にあるのか編集部にあるのか確認することが大切です。
低価格の自費出版は校正の責任は最終的には著者にあることになっています。
そうしないと料金が高額になってしまうからです。
人間だから間違いはありますが、それを極力ゼロにしようとするのが校正です。
基本的にはじっくりと手抜きをしないで読むことです。
読み飛ばすのは論外ですが、かといって内容に入り込みすぎても、頭が意味を先取りしてしまって、誤字脱字に気づかないことがあります。
2人いる場合は読み合わせをすると確実です。1人が声を出して読み、もう1人が同じ原稿を手にして、それを聞きながら原稿を見ていきます。
手間と時間がかかる作業ですから、何度もできることではありません。
1人の場合は字面に注意して読むことです。
校正は初校、再校、3校と、新しい原稿が出るたびにやるのですが、そのたびにすべての原稿を読むのは効率的ではないし、困難です。
通常は最初から最後まで読むのは初校だけで、再校は初校で赤ペンを入れた部分を確認し、3校は再校で直した部分を確認して校了とします。
さて、そうした校正作業の中で、気をつけるポイントはなんでしょうか。
まず第1に、間違えやすい部分、そして間違えては困る部分を知り、そうした部分には注意をしてみることです。
その代表的なものが、固有名詞と数字です。
固有名詞というのは人名や会社名などですが、読みが同じでもさまざまな漢字の組み合わせがありますから、間違うケースが多く、また間違うと困るのです。
会社の売上高、電話番号、年号などの数字も見過ごされがちで、ちょっとしたミスが大きな影響をおよぼします。
売上高であれば、ゼロが1つ増えただけで10倍もの差になりますし、電話番号を間違えると読者に間違え電話をさせてしまいます。
このように校正は細かい部分に注意する必要があります。
ただ、ここが校正の難しいところなのですが、細かい部分だけ見ていればいいわけではないのです。
そこで第2のポイントは、少し距離をおいて大きな目で全体を見ることです。
細かい部分にばかり気をとられていると往々にして「木を見て森を見ず」という状況になります。
目を皿のようにして、細かい部分をチェックする一方で、タイトルや著者名、主人公の名前といった 大きな間違いに気づかなかったという例が少なからずあるのです。
「ありえない」と思われるかもしれませんが、校正に先入観は禁物です。
そうした間違えをするのが人間であり、それに気づくことが最も大事なことです。