第3回無料出版キャンペーンで当選した
『秘教治療 我が師との思い出 ―「世にもまれなブログ」より」』が本になるまでをレポートしました。
キャンペーン当選作品が本になるまで
本づくりの現場は、体験した方でなければ分からないものです。ここでは、当選作品が本になるまでの流れを通して、当社と著者の方が一緒に本を作りあげていく様子をご紹介します 。
「秘教治療 我が師との思い出」の制作の流れ
1.原稿が送られてくる
著者の御水杜石さんから無料出版キャンペーンの応募作がメールで送られてきました。
この作品は、「秘教治療」という耳慣れないテーマで綴られたブログをまとめたものですが、深い霊的哲学に基づいた、これからの私たちに必要な概念を伝えています。
この原稿を元に編集、DTP(文字組み)の作業をすることになります。
それが次の工程です。
2.文字データの整理とチェック
ワードで送られてきた原稿は、著者のブログを抜粋したものでしたので、表現が書籍向けになっていない箇所がありました。また、引用の出典明記、数字が漢数字とアラビア数字が混在していたので、どちらかに統一するなど、書き直していただく箇所にチェックをいれました(本格編集であれば、こういった作業は弊社で行いますが、今回は本格編集は含まれていないため、著者さんに原稿を再度確認、修正していただきました)。
3.DTP作業を開始・初校を出す
修正の終わったワード原稿を、組版専用のDTPソフト(inDesign)にデータを流し込みます。このソフトで1行の文字数、1ページの行数、見出しや本文のフォントの大きさを設定し、ノンブル(ページ数)、目次などを作っていきます。
高齢の方は大きな文字を希望されますが、やはり読みものとして考えると、あまり大きな文字はかえって読みづらくなります。
今回は御水さんの希望もあり、やや大きめの14Qに設定しました。
出来上がった初校をプリントアウトして御水さんに郵送、メールでもPDFをお送りしました。
4.カバーデザインの制作
御水さんはカバーデザインに対する希望や案は特になく、派手なものよりシンプルで落ち着いた感じ、とおっしゃっていました。編集担当者は、作品の内容から、「人体が、目に見えないエーテル界とつながり、エーテル界の上位にはさらなる界が広がって、人体と宇宙がひとつになっているようなイメージ。光の向こうの扉に向かっていくような感じ」で、デザインを依頼しました。
初校はこのような感じで出来上がり、さっそく御水さんに送りました。
5.初校・再校の確認
御水さんは、修正箇所がわかるように箇条書きにして、メールで修正指示を送ってくださいました。よく推敲されていたので、修正箇所はもそれほど多くはありませんでした。初校、再校と修正を重ね、完成に近づけます。
7.カバーデザイン再校→最終校→校了
初校の人物シルエットが御水さんは少し気になるとおっしゃっていました。デザインのコンセプトは気に入っていただきましたが、シルエットは「体型のがっしりした男性にしてほしい」とのこと。デザイナーに描きかえてもらいましたが、何かしっくり来ないようで、再度描きなおしました。しかし、やはりイメージ通りではなく、結局、最初のシルエットに戻り、カバーは校了となりました。カバーのデザインは、著者さんのイメージを再現するように制作を心がけていますが、細かい直しに入っていくと、イメージ通りにならない事や、技術的に難しい事などもあります。デザインは、編集者とデザイナー、著者さんの3者で作り上げていくものです。中々、イメージ通りに仕上がらない時など、なぜできないのか、何をどうすれば良いのかなど、それぞれが誠実に伝え合っていくことが大切なんだな~と改めて感じます。
8.追加の原稿を組版・校了
本文の最後に、ご自身の治療の経験を補遺として掲載したいと、御水さんよりご相談がありました。本文と区別するために、囲みを作り、補遺として掲載することにしました。補遺はメールのやりとりで構成されていますが、臨場感があります。より良い内容になりました。
9.完成!
入稿は年末ぎりぎりでした。
そして、年が明け、正月気分が抜けかけた頃、本が届きました!
御水さんのご協力で、本当にスムーズに作業を進めることができました。ありがとうございました!