● 営業用に社史をつくる

目的をはっきりさせる 社史の編纂には少なからぬ経費と時間を要します。
貴重なデータや写真を数多く集め、立派な分厚い本を制作したとしても、
誰にも読まれなければ自己満足で終わってしまいます。
けれども編集の仕方によっては、
さまざまな面で会社を伸ばすツールとして活用できます。
たとえば人物伝や経営理念をわかりやすく紹介すれば、若い社員を教育する材料になり、
営業の現場で士気を高めることに繋がります。
また新技術採用の歴史や社会貢献活動を中心に取り入れれば、
広く一般社会にPRすることができ、企業イメージのアップになります。
もちろん取引先に直接配布することで、会社のことをよく知ってもらい、
良いイメージを与えて営業活動をサポートすることも可能です。
こうした目的で社史を活用するには、実際の編集作業に入る前から、
活用方法を想定することが大切です。
あれもこれもと資料を取り込むのではなく、目的をはっきりさせて内容を絞り込むことが、
効率的な編集のコツと言えます。

読者の顔を思い浮かべる 営業用に限らず社史をつくるときのポイントとして、
編集するとき読者の顔を思い浮かべることが挙げられます。
まずは手に取って読んでもらわなければ、目的を果たすことができません。
相手のプロフィールを想像すれば、どのような記事や図表が喜ばれ、
アピール効果が高いかを予測できるでしょう。
その上で相手に訴える内容を並べていくのが効果的です。
具体的には営業用の記事であれば、商品の移り変わりや施工事例集、
新技術開発と導入の歴史、自治体や公共団体からの表彰、
顧客や関係先からの賛辞など、さまざまな内容が考えられます。
これらは過度に自画自賛していると見なされると、逆効果になってしまうこともあるので、
あくまでもさりげなくアピールするのが大切です。
社史を自費出版する場合には、資料収集からライティングまで、
すべての作業を社内スタッフで行なうことも可能ですが、
コツを知り尽くしたプロの助けを借りることもできます。
編集方針に悩んだら相談してみるのも良いでしょう。