● 社史が出来上がるまでの流れ

社史づくりはコミュニケーションから

社史を初めて制作することになった場合は、準備や制作期間、費用など、
疑問や不安がいろいろあるものです。
喜ばれる一冊を作るためには、必要な体制づくりから取材の段取りなど、
知っておくべきことがたくさんあります。
また、さまざまな部署や印刷会社など、内外の人たちと関わる機会が
増えることを念頭に、周囲とのコミュニケーションを円滑にしておくのも
準備の一環と言えるでしょう。
社史の制作開始から納品までの一連の流れを、一般的な例でご紹介します。

社史専門のプロにサポートを依頼すると まず、社史制作の専門会社に制作を依頼、または共同制作する場合は、
制作会社を選定します。
プロが制作に参加すると、企画や進行管理などの難しい部分を
委託することができるだけでなく、
質の高い出版物に仕上がるというメリットがあります。
そして社内で社史編集のチームを組みます。
全社的な連携や協力、人脈がカギとなるため、
メンバーにはなるべく各部署のリーダー格の人物や発言力のある人、
社内で顔の広い人、会社や業界に精通している人を選び、
その上で適材適所の役割分担を考えます。

スケジュールには十分な余裕を 制作全体のスケジュールを立てます。納品日から逆算するのが普通ですが、
社史の編纂は資料集めや取材交渉、調査などに時間を要するものであるほか、
予定通りにいかない場面に遭遇する可能性も高いものです。
期間には十分な余裕を持たせ、作業内容を明確にして、
関係者がスムースに連携を図りながら進行できるようにしましょう。

「自社らしさ」のある社史制作のために 自社のカラーを打ち出すため、編集方針と発行目的を決定します。
対象となる読者層は、経営陣、管理職、社員、取引先などその他の関係者、
地域など多岐に渡ることが多いので、
それぞれの立ち位置からの視点を意識したテーマを掲げる必要があります。
文体や文章のトーンなどの表現、仮名遣いのルールなどの表記法を
統一することも大切です。

原稿の作成から入稿までは入念に 実制作では、文章の執筆、写真や図版などの資料作成、口絵、装丁、
目次・索引、付録、奥付などを編集方針に沿って作ります。
人物インタビューの依頼や謝礼、撮影なども段取り良く行います。
デザイナーへはレイアウトや図版の扱いを指示します。
社史制作会社にデザインを依頼する場合は特に、デザイナーとの
コミュニケーションが大切です。
原稿整理の段階では校正・校閲を入念に行い、
最終確認を経て印刷会社に入稿するまでが一連の流れです。