「情報の運び屋」としての人生を描いた自伝的小説が発刊間近に!

2023年12月下旬に青山ライフ出版から全国書店で発刊される『情報の運び屋(上巻)情報の路(みち)」(大崎俊彦著 1,350円+税)と「情報の運び屋(下巻)情報の詩(うた)」(大崎俊彦著 1,350円+税)の発売がいよいよ間近になってきました。

情報と言っても、情報論のような科学を論じる本ではありません。
内容はきわめて人間的なものです。
そのような人間的な情報が、この世で最も必要な、有用な情報だとしたら、、、
そこに著者の想いの真髄があるような気がします。

その部分を紹介する。

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いよいよ人生(じんせい)終焉(しゅうえん)の後期高齢者と呼ばれる満七十五歳の壁を超え、自分の父親が逝去(せいきょ)した八十二歳の誕生日を迎えていた。

これまで過ごした人生の雷雨の如き出来事、落葉が舞い散る如く逝去した仲間達の葉擦(はず)れ音、病と闘いながらも短い命を精一杯奏(かな)でた、親友の懐かしい美しい虫の音色の如き生き様など、それぞれが一生懸命生きた人生街道、つまり情報運搬屋としての足音が、しみじみとした晩秋の気配となって、筆者真情の心耳(しんじ)を通して心情と身情に響いていた。

「母情愛の運搬屋のフィナーレは、
花びらに囲まれた美しい母の遺体。
その燃える炎の悲しみは、
葬祭場の煙突から煙となり、
空へとたおやかに立ち昇り、
風となって大空の中に融けていく。

母情愛の身情たちのフィナーレは、
花びらに囲まれた美しい母の遺骨。
その灰の中に残った美しさは、
葬祭場から菩提寺の墓へ移され、
墓地深く永久の形見となり、
土に還って墓石に刻まれていく。

母情愛の心情たちのフィナーレは、
花びらに囲まれた美しい母の遺影。
その微笑んだ姿の寂しさは、
葬祭場の参列者の涙となり、
遺影の笑顔が心に刻まれ、
永久の情報となって生きていく」

その “お別れ会”に参加したもう二度と会うことがない人々が、ふたたび懐かしい時空間(じくうかん)の想い出情報に浸り、これをお土産にして帰宅したそれぞれの家や町や地域の情報たちも、楽しかった懐かしい想い出情報で、再び健康と笑顔を取り戻していった。
死の直前まで笑顔溢れる最終の情生を過ごされた方々は、次々と静かに、終点の終焉(しゅうえん)の駅で下車されていく……。

情報の運び屋 上巻 情報の路

情報の運び屋 下巻 情報の詩