2023年12月下旬に青山ライフ出版から全国書店で発刊される『情報の運び屋(上巻)情報の路(みち)」(大崎俊彦著 1,350円+税)と「情報の運び屋(下巻)情報の詩(うた)」(大崎俊彦著 1,350円+税)の情報、第3弾です。
本書では「情報の本質は、信頼にある。お互いに信頼し、お互いの違いを、お互いに理解し認め合って、平和の実現と維持こそ、われわれ人類の究極の責務だ」と提言しています。
われわれは“情報の運び屋”という客観的立場に立ち、お互いの違いを、お互いに理解し合い、お互いに認め合って、平和で真に豊かな多様性に満ち溢れた情報の森で覆われた世界を実現し、これを維持するのが責務である。
という、主張はすばらしいです。
単なるきれいごとの主張ではなく、これができないと、どんなことになるか、歴史に学ぶこともできますし、日々のニュースでも目にしています。
「情報の運び屋」の「(上巻)情報の路」の第2章【情報の悲】;情報は情報を食べて生き抜く、第8節.原子爆弾投下の悲劇情報の中で、下記のように表現しています。
その部分を一部抜粋し、紹介します。
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敵国の大型爆撃機一機は2機の観測機を従え、約35万人が生活していた広島の街の上空に侵入し、高度9千メートルから人類史上初の原子爆弾を、現在は平和祈念公園となっている爆心地へ向け投下したのだ。
この原子爆弾は、投下から43秒後、地上600mの上空で、眼もくらむ強烈な閃光(せんこう)を放って大爆発を起こした。炸裂(さくれつ)した瞬間、小型の太陽の如き灼熱(しゃくねつ)の火球(かきゅう)となり、火球の中心温度が摂氏100万度以上にもなった。そして一秒後には、最大直径280mの大きさになり、爆心地周辺の地表面温度は、3,000~4,000度に達したと推定されている。
この原子爆弾の大爆発と強烈な放射線及び猛烈な爆風は、そこにいたあらゆる生き物を焼き殺し、そこにあったすべての構造物を破壊し、焼き焦げた影を残した。そして立ち昇るきのこ雲の下では、つい先程までささやかな夢と希望と暖かさに包まれた家庭や、貧しくも心豊かに生きる人達が棲んでいた街が、一瞬にして瓦解(がかい)し阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄になった。
次々と数多くのご遺体が荼毘(だび)に付されていくが、その人骨を、埋葬する場所もなく、人骨が瓦礫(がれき)の中で雨ざらしになっている。赤黒く焼け爛(ただ)れた手に、焼けた腕の皮が、黒いボロキレのようにぶら下がってヒラヒラしていた。そして最大の悲劇は、こうして逝去(せいきょ)される人々は皆、家族や友人や知人の誰一人として立ち会うことなく、一人寂しく死に旅立っていくことだ。
人生と情生(じょうせい)の終着駅で、その家族や親戚、知人や友人など、本人を知っている人が、誰もいないところで…、唯一人寂しく他界していく姿は、この世に情報の運び屋として生まれ育った人生、その情生の総決算である終着駅での最大の悲劇だ。