『ゼロで死ね(die with zero)』(ダイヤモンド社)
最近、なるほどと思ったオーディオブックのタイトルです。
これは一言でいうと、
死ぬまでに、持っているおカネは使い切って死にましょう、
という著者の信条が書いてある本です。
こういうことは誰もが考えると思います。
何千万円、何億円、持っていても、死んだら意味はない。
それなのに実際は、多額の預金を残して死ぬ高齢者が圧倒的に多いのです。
おカネを残す理由として、子供に残したいという人は多いでしょう。
「それなら生きているうちにあげればよい」と著者は言います。
実際は、おカネがなくなったらどうしよう、という不安を原動力にして、お金を貯めること自体が目的化してしまって、そのうち高齢化が進み、体力や意欲が衰え、使うに使えなくなってしまっているだけのように思えます。
だからといって、やたらに高価な宝石や車、時計を買って散財せよと言っているのではありません。
人生とは経験がすべてなのだから、倹約のために、やりたいこともやらずにおカネだけ残して死ぬのはもったいない。もっと経験に投資せよ、というのが著者の考えです。
漠然と生きていたのでは、これはなかなか実践できません。
年齢と、年齢による時間の価値、預金額をどのように考え、計画し、おカネを使うか。これは実は、できるだけ若いうちに考えておくとよいテーマだと思いました。