力まないことが大切
小説、ノンフィクション、エッセイ、自分史、取材レポート。
どんな読み物でも山場があるものです。
作者は当然
「ここがクライマックスなんだ」
「この一文が感動の場面なんだ」
とわかっています。
そこを書くとき、注意が必要です。
書きなれていない人は、ついつい、そこで力んでしまって、
せっかくのいい場面を伝えきれないのです。
どう書いたら、感動の場面をきちんと伝えられるのでしょうか。
失敗の大半は力みすぎからきます。
ここが大事だということを強調しすぎて、くどくなってしまうのです。
もっとも初歩的なものは
「そうだったのか!!」などと
「!」を多用すること。
強調の記号をやたらと使ったところで、読者は感動してくれません。逆に文章に重みがなくなってしまうので、こういった記号は、できるだけ使わないようにしましょう。
そして同じことを二度繰り返したり、説明的になったり、やたらと大げさな表現をしたりすることで感動は遠のいていきます。
作者が力めば力むほど、逆効果になります。
なぜなら感動の場面は、その一文にあるのでなく、そこに至るまでの過程があって、その流れの中でやってくるものだからです。
だからそこで力んではいけないのです。
務めて冷静に、普通に書いてください。
作者が感情移入しすぎないように注意し、肝心の場面はさらりと書いてしまうことです。