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    立処 真 (著)

    サンプルを立ち読み 発行日: 2015/12/20
    頁数: 215ページ
    ISBN-13: 978-4864502283
    定価: 500円 (税込み・電子書籍)


    内容紹介

    ポーランドに音楽留学中のピアニスト千鶴は、行きつけのノミの市で、「矢吹」と刻まれた半世紀も前の恩賜の銀時計を偶然入手する。
    世界大戦末期に密かにこの地に滞在していたという持ち主に奇しき因縁を覚えた千鶴が、その話を自分のブログで紹介してから程なく、思いがけなくも一人息子の竜が名乗り出る。
        矢吹は身重の妻を残して、大戦末期のベルリンに特派員として単身赴任した若きジャーナリストで、ある日忽然と姿を消したまま、以降全く消息が絶えているという。
    父の突然の失踪と傷心の母の大病で、敗戦後の混乱期に捨て子同然の、言葉に尽くせぬありとあらゆる辛酸をなめて育った竜は、自分の不幸な生い立ちは全て無責任で人でなしの父のせいと断じて、初老を迎えた今でも、憎しみで恨み骨髄に徹している。
    千鶴のブログを見て竜の父親と知り、その謎の足跡を現地に飛んで調べようという知人の誘いを、行き掛かり上どうしても断れなくなって、嫌々ながら重い腰を上げてワルシャワに赴いた竜は、形見の銀時計を受け取って早々に帰国をと気が急く。
    だが千鶴たちの献身的な手助けで、その目の前に次々と明かされる、遠い過去の驚くべき真相の数々に、竜は次第に我を忘れて引き込まれていく。
    独自の情報筋に促されて、ナチスによるユダヤ民族迫害の大罪の証拠を得て世界に告発しようと、ジャーナリスト魂に燃え、危険を冒して極秘裏にポーランドに潜入した父。その父を命懸けで支えた地下組織のポーランド人女性カーシャとの、運命的出会いと悲恋。
    物語はワルシャワ武装蜂起、矢吹の非業の死等々、更なる劇的な展開を辿りながら、自分を呼び寄せたさ迷える父の霊を慰め、その無念を晴らそうと、竜が人生最初で最大の親孝行に命を掛ける結末へと、一気に突き進む。


    著者について

    埼玉県在住。


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