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馬英九政権に於ける対中政策に関する研究
[単行本(ソフトカバー)]聶 奎全(じょう けいぞん) (著)
発行日: 2019/12/17
頁数:244ページ
ISBN-13: 978-4864503501
定価:非売品
内容紹介
本論文は、台湾の馬英九政権の8年間に於ける大陸に対する「大陸政策」の策定と実施の背景、内容、影響などを研究対象とする。それに加え、馬英九政権の大陸政策に関する特徴、政策評価などを含めて分析、検討する。具体的には、主に台湾に於ける中国国民党の対大陸政策の設定指針をめぐって実施された政策について検討する。
2015年、台湾の中国国民党は、地域選挙に於いて民主進歩党に敗北した。2016年の台湾の総統選挙では、民進党の蔡英文が将来の台湾の大陸政策の策定の主導権を掌握することになった。現在、前の馬英九政権の中国国民党による「現状維持」指導思想を基礎とした大陸政策が両岸間の協力関係を導き、海峡の両岸関係は比較的安定した方向に発展している。
仮に、民主進歩党が以前の陳水扁政府のように「独立」傾向をもたらす政策を取り上げるとすれば、将来の両岸関係は再び政治交流が中断され、経済・貿易が頓挫し、軍事衝突の可能性が高まることが考えられる。これは、海峡両岸の中国人に対して不利益な影響を齎す状況であると思われる。本論文では、このような状況を避けるため、「現状維持」に基づく馬英九政権の大陸政策がどのように大陸から理解を得て友好関係を構築できるかという、即ち両者の「ウィン・ウィン関係」を実現できる政策について、その経緯、内容と変容、影響等を学術的に分析、検討する。(本文より)
著者について
聶奎全、2017年広島大学社会科学研究科法政システム専攻博士後期課程修了、学術博士号を取得した。
華東政法大学・上海政法学院協力育成ポスドク研究員を経て、現職は上海政法学院東北アジア研究員特聘研究員。