最近、時間について哲学的に考察する本を読んだのですが、
とうも、考えれば考えるほど、時間というものは奇妙で、
とらえどころのないものに感じられます。
私たちは過去・現在・未来という区別をしますが、
現在って、いつでしょう?
今、この一瞬といっても、次の瞬間には過去になっています。
そして、過ぎ去った過去は、いったいどこへ行ったのでしょうか?
過去は消えたのでしょうか?
それとも、宇宙のどこかに残っているのでしょうか?
まだ来ない未来は、どこにあるのでしょうか?
それとも、どこにもないものでしょうか?
時間という実体があるのではなく、
私たちの脳が時間の流れを感じるようにつくられているだけ
という説もあります。
なるほどと思いますが、時間がないのであれば
宇宙もなく、宇宙がなければ脳もないのでは……と思うのです。
宇宙論では、140億円前にビッグバンによって宇宙は誕生した
ことになっていますが、このビッグバンを幻想の始まりと
解釈するなら、つじつまが合うのかもしれません。
時間によって成り立つ幻想の世界が誕生し、
その世界で生まれた私たちなので時間を感じているのです。
本来は時間も空間も光もないのかもしれません。
すべてが幻想ですから、
色即是空、空即是色となるのでしょうか。