「火花」を読んだ

今話題の芥川賞受賞作「火花」(又吉直樹著)を読みました。

とてもおもしろく、あっという間に読んでしまいました。これは基本的には青春小説ではないかな。夢と現実のはざまで格闘する20代のヒリヒリするような日常を描いた小説、と1行でまとめるとすれば、そう言えると思います。

その意味では普遍性があるので、誰が読んでも思い当るところがあり楽しめる。

ただこの小説が決定的に新しいのは、夢の対象が「お笑い芸人」だということ。

ちょっと前までは考えられなかった。しかも、それを本物の芸人が書いている、そこがおもしろいのだと思います。

漫才というのは、言葉の芸で、そこを追究し、研ぎ澄ませれば、文学の世界と共通するものがあると感じました。関西弁の会話が漫才の掛け合いのようでおもしろく、飽きさせない。これなどは普段からネタを考えている著者だから書けたのではと思います。

そして、これだけ売れているのは「お笑い芸人」という特殊な世界に対する興味がある。毎日のようなテレビに出て、常におもしろいこと、楽しませる言動を期待されている、そういう世界にいる人間に対する興味があると思います。

作品もよいし、商業的にも大成功した芥川賞受賞作です。

 

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青山ライフ出版 代表取締役。青山ライフ出版は東京都港区にある出版社。自費出版、社史制作などに力を入れている。実用書、エッセイ、小説、詩集、絵本、写真集など幅広い出版物を発刊している。