人生の扉を開く 「万能の鍵」

人生の扉を開く「万能の鍵」
(ラルフ・ウォルドー・トライン著 サンマーク出版)

神を信じるか信じないかは別として、
わたしたちがここにいる、ということは、
(たとえ、それが幻だとしても)
わたしたちにとっては紛れもない事実である。

であるならば、この世、この宇宙をつくり、
わたしたちを存在させ続けているものがあって、
その源からくる、すべての根源となる力は常にそこにあるはずだ。

宇宙の法則であれ、神であれ、呼び方はなんでもかまわない。
本書ではそれを「無限の生命と力のスピリット」と呼んでいる。

わたしたちは個別に見れば、1人の人間であり、
弱く儚い存在かもしれない。

けれども、この「無限の生命と力のスピリット」
から生まれたのだから、直接つながっている、
本質的には同じものだと言ってよい。

「無限の生命と力のスピリット」が大海だとすれば、
わたしたちは、そこからすくった一滴。

量は違うけれども同じものである。

とするならば、わたしたちは
「無限の生命と力のスピリット」(神)
の子であるのだから、
そこに心を開きさえすれば、神のように生きることも可能なのだ。

そんな私たちが愚かな行いをして苦しんだりするのはなぜか。

「無限の生命と力のスピリット」からくる流れに、
自分自身を開かず、自分を閉じてしまっているから。

絶えず流れてくる清らかな水があるのに、
自分の中に水門を開くことをせず、
水門を閉ざしてしまう。

そのため、沼の水は淀み、腐り、地獄をつくってしまうのだ。

ここでいう「水」とは、「思考」と言い換えてもいい。
「無限の生命と力のスピリット」からくる思考の流れに
心を開き、耳をすませて、自分の思考を合わせるようにすれば
この世をつくった知恵と連動することになる。

「思考は力であり、自分に似たものをつくるし、似たものどうしが引き合う」
という。

よい考えをもっていれば、
よいものが周りに生まれ、
よい人が周りに集まってくる。

端的に言うと、思考が宇宙の法則にかなったものであれば怖いものなし、
ということだが、
「どういう思考が宇宙の法則に合っているのかわからない」とか
「それができれば苦労しないよ」とか
「それができないから人間なんじゃないか」と言われそう。

それについては、本書を読んでいただくとして、
少なくとも思考を律する、ということは今からでもできる。

悪い考えが浮かんだときに、
ダメだ、ダメだと打ち消す。

そして、よくあろうとすること。

素朴だけれども、これがとても大事のように思う。

カテゴリー: 本の紹介   作成者: admin パーマリンク

admin の紹介

青山ライフ出版 代表取締役。北海道生まれ。1983年早稲田大学教育学部卒。経営誌副編集長などを経て、2005年青山ライフ出版を設立。実用書、エッセイ、小説、詩集、絵本、写真集など幅広い出版物を発刊している。